※ 動画講座はこちらです。記事は引き続き下にスクロールしてご覧ください ※
今回は、
◆賃金の支払5原則
◆ノーワーク・ノーペイの原則
について学びます。
賃金の支払5原則
【賃金とは】
賃金とは、労働の対償(対価)として労働者に支払うものとされています。
そのため、給与以外にも通勤手当、休業手当、税金や社会保険料の補助なども賃金と定義されます。
そしてこれらは、労働をすれば当然支払われる義務があります。一方で、賃金に定義されないものは支払い義務はありません。
賞与や退職金を設けている企業がまちまちなのは、これが理由です。
これらは賃金の扱いにならないからです。(労働対価としてではなく、長期期間労働や貢献度への対価だから)
ただし、解雇予告手当に関しては賃金の扱いになりませんが、支払義務は発生します。
※解雇予告手当とは、通常、使用者の都合で労働者を解雇する場合、解雇30日前に予告をするのですが、それを省略する代わりに支払われる手当のことです。
【賃金の支払5原則】
①通貨払い ⇒ 小切手や現物での支払いは原則認められない
②直接払い ⇒ 必ず労働者本人に直接支払うこと
③全額払い ⇒ 支払額から貸付金やその他控除をしてはいけない
④毎月1回以上払い ⇒ 毎月1回以上支払う必要がある(年俸なども同様)
⑤一定期日払い ⇒ 一定の期日ごとに支払う必要がある
いずれの原則も例外があります。 詳しくは、動画講座を参照してください。
ノーワーク・ノーペイの原則
賃金は労働の対償(対価)であるため、労働が発生しない限り賃金支払いも発生しない原則のことです。
「働かざるもの食うべからず」ということわざがありますが、まさにこの原則を示していますね。
この原則があるため、遅刻や早退・欠勤などが発生した場合、本来支払う予定の賃金から控除(減給)されます。働いていない時間に対して賃金が発生するのはおかしいですよね。
また、年次有給休暇制度に関してはこの原則は当てはまりません。
労働基準法は本来、労働者の保護を目的としているためです。
ちなみに、一部で問題になっている休業手当の不支給は、本来「企業側(使用者)が原因で賃金が支払われない場合に、休業期間中に使用者は平均賃金の100分の60以上を労働者に支払わないといけない」義務があるのですが、「コロナ休業は企業側の責任ではないから(緊急事態宣言などは国が発令するから)支払い義務がない」という理由により、休業手当を支払う必要はないとする企業側の解釈で起こっている問題です。
どちらの言い分も正しいだけに、難しいですね。
ただ、そもそもコロナの影響で飲食業は休業手当を支払える余力がありません。
そんな中で店側の善意で支払ってくれるのであれば、とても恵まれているかもしれません。
まとめ
◆賃金とは、労働の対償(対価)として労働者に支払うもので、名称は問わない
◆賞与や退職金は賃金扱いにならないため、支払義務はない
◆賃金は毎月1回以上支払う必要がある(例外あり)
次回は、【年次有給休暇】です。