※ 動画講座はこちらです。記事は引き続き下にスクロールしてご覧ください ※
今回は、
◆弾力的な労働時間制度
について学びます。
試験に頻出の重要部分になります。
変形労働時間制
変形労働時間制とは、本来法定労働時間を超えた場合に割増賃金が発生するのですが、会社の繁忙期に合わせて法定労働時間の枠を変更できる制度のことで、変則的な労働時間が必要な会社にとって便利なシステムとなっています。
変形労働時間は4種類あり
① 1ヵ月単位の変形労働時間制
② フレックスタイム制
③ 1年単位の変形労働時間制
④ 1週間単位の非定型的変形労働時間制
以上となっています。
各制度の特徴を覚えるポイントは
・各期間と1週間の平均労働時間を覚えること
・手続き方法は何なのか、届出の必要があるかどうか
・それぞれの例外や注意点など
の3点を考えながら学習すれば、そんなに難しくありません。
また、変形労働時間制度の共通ルールとして、1日8時間&1週間40時間を超えて労働させることができますが(特例事業は考慮される場合とされない場合があります)、平均労働時間を守り限度時間を超えないこと(超えると罰則)とされています。
それでは、一つずつ見ていきましょう。上記のポイントを押さえながら確認していってください。(講座動画のスライドをそのまま転用しています)
【1ヵ月単位の変形労働時間制】
【フレックスタイム制】
【1年単位の変形労働時間制】
【1週間単位の非定型的変形労働時間制】
なお、フレックスタイム制は皆さんにとっても身近な制度だと思いますが、給与支払いの注意点として、賃金の全額払いの原則に違反するかどうかを覚えておいてください。
わかりやすい例で説明しますと、毎月定められた労働時間が160時間だとします。
パターン①
前月に180時間働いたとします。すると、20時間多く働いていますよね。これを翌月に繰り越せるかどうかというと
⇒ ×出来ません× 賃金の全額払いの原則に違反するからです。
パターン②
前月に140時間しか働かなかった場合、翌月に不足した20時間分も余計に働いて上積みするできるかというと
⇒ ◎出来ます◎ 賃金の全額払いの原則に違反しません。
つまり、その月に働いた時間分の給与は、全てその月分として支払われないといけないというのが賃金の全額払いの原則ですから、前月に20時間余分に働いたのだとしたら、その分も前月分として給料を支払うのは当然ということです。
逆に前月20時間不足していても、前月分は全てその月分として給与支払いされているわけで、翌月多く働いてもその分もすべて翌月分として給与支払いされるのなら何も問題はないのです。
みなし労働時間制
みなし労働時間制とは、実際に働いた時間に関わらず、一定時間働いたとみなす制度のことを言います。3種類あります。
① 事業場外労働のみなし労働時間制 ※外回りの営業などが該当
② 専門業務型裁量労働制(労使協定&届出必要)
③ 企画業務型裁量労働制(労使委員会の決議必要)
いずれの場合も、休憩や休日規定、割増賃金規定などは適用されることを覚えておきましょう。
高度プロフェッショナル制度
みなし労働時間制と似ていますが、こちらは適用条件が厳しくなっています。(年収が1,075万円以上で、対象業務は金融商品開発・コンサルタント・研究開発などの高度専門職のみ)
また、年間休日が104日と定められていますが、労働時間の規定はありません。(深夜割増賃金も適用除外です)
その分、労働者の健康確保措置が必要とされており、常に健康管理時間が把握できるようにしなければいけません。
まとめ
◆変形労働時間制の4種類の特徴をしっかりと覚える(1ヵ月単位をベースにすると良)
◆みなし労働時間制でも、休憩休日・割増賃金の規定は適用される
◆高度プロフェッショナル制度は適用条件が厳しく、労働時間や割増賃金の規定適用外だが、その分日常的に労働者の健康確保措置が必要
次回は、【変形労働時間制における時間外労働】です。