※ 動画講座はこちらです。記事は引き続き下にスクロールしてご覧ください ※
今回は、
◆給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
について学びます。
申告書の注意点と判断基準
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の作成・提出における注意点は下記の通りです。
① 本年最初に給与の支払いを行う時までに提出する
(下記の場合は都度、異動申告を行う)
・ 控除対象扶養親族の数に増減があった
・ 源泉控除対象配偶者を有することになった
・ 本人や同一生計配偶者、扶養親族が障害者になった
・ 本人が寡婦(寡夫)になった
⇒・ 本人が寡婦、もしくはひとり親になった
② 控除対象扶養親族の確認は、本人の申告に基づく
③ 対象者判断は、年末調整実施日の現況に基づく
※令和2年分(2020年分)より、寡夫控除が廃止となり、ひとり親控除が新設されました。詳細は以下の補足動画をご覧ください。 |
対象者判断の基準は、「年間合計所得金額」と「年齢」です。所得については見積額で大丈夫です。
次に、対象者の区分と各基準を見ていきましょう。
なお、全ての区分と基準を暗記する必要はありません。赤字の箇所が主に出題されます。
① 同一生計配偶者
⇒ 12月31日時点で年所得の見積額が48万円以下(給与所得だけの場合103万円以下)
② 控除対象配偶者
⇒ ①の内、年所得見積額1,000万円以下(給与所得だけの場合1,195万円以下)
③老人控除対象配偶者 ⇒ ②の内12月31日時点で70歳以上
④ 源泉控除対象配偶者
⇒ 12月31日時点で所得者と同一生計配偶者で年所得見積額95万円以下(給与所得だけの場合150万円以下)
⑤ 扶養親族
⇒ 12月31日時点で所得者と同一生計の親族(里子や養護老人などが該当するケースもある)
⑥ 控除対象扶養親族 ⇒ ⑤の内12月31日時点で16歳以上
⑦ 特定扶養親族 ⇒ ⑥の内19歳以上23歳未満
⑧ 老人扶養親族 ⇒ ⑥の内70歳以上
⑨ 同居老親等 ⇒ ⑧の内所得者or配偶者の直系尊属で同居
⑩ 障害者 ⇒ 他に特別障害者、同居特別障害者も申告する
⑪ 寡婦(夫) ⇒ 死別や離婚後に婚姻していない人
⑫ 勤労学生 ⇒ 学生でありながら労働をして所得を得ている人
赤字の部分が結構多いように思うかもしれませんが、実際の計算問題では早見表という資料をもらって計算します。
ですので、各区分の要件さえ押さえておけば、あとは問題に登場する人物を区分けしていくだけです。
頻繁に出題されるのは、特定扶養親族・同居老親等です。
また、たまに「同一生計配偶者だが控除対象でない。ただし障害者である」「扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族だが障害者である」という引っ掛け問題も出題され、この場合は障害者控除の対象になります。
※ 本編中に「障害者」という記載が出てきますが、便宜上の名称として表示しております。 本来であれば、配慮のために「障がい者」もしくは「障碍者」という記載が望ましいのですが、ご了承ください |
まとめ
◆申告書の作成・提出要件を覚える
◆対象者区分を覚えておけば、細かい数字を覚える必要はない
◆とにかく演習問題を解き、区分けと計算の流れを体で覚えること
次回は、【基礎控除等申告書】です。
こちらのHPを発見して以来、動画と共に虎の巻として活用させていただいています。
ただ、今回、HP上から動画を再生しようとすると、エラーになります。
YouTube上でこの回を探せば見れますが。。。
また、R3年分のを国税庁のHPからダウンロードしてみました。
11番が寡婦になっていて(夫)の表記がなく、12番にひとり親が追加されていました。
裏面の説明と2021版テキストの説明をまとめると、
例えば、本人が女性で総所得500万円以下で婚姻していない場合、
a)生計を一にする、(見積りで総所得48万円以下の)子がいるなら、ひとり親控除適用
b)生計を一にする、(見積りで総所得48万円以下の)親兄弟などの扶養親族がいる人なら寡婦控除適用
(夫)表記が消えたので、本人が男性で上記の場合、aしか適用にならない
。。。って考え方で合っていますでしょうか。
コメントありがとうございます。
動画の件ですが、こちら修正しました。ご指摘ありがとうございます、今は見れると思います。
ひとり親控除と寡婦控除の適用要件につきまして、実はYouTubeでも別の方から質問を頂いており、
色々と調べてみました。
情報をまとめますと、受験生さんが仰る要件で合っています。
ポイントとしては
①扶養対象が「子」⇒ひとり親(男性の場合は適用)、「親族」⇒寡婦控除(男性の場合は適用外)
②寡夫控除の名称が変わり「ひとり親控除」になっただけでなく、総所得金額も38万円⇒48万円に要件変更している
といった点を押さえておけば、区別しやすいかと思います。
試験もうすぐですね、頑張ってください!
早速の返答ありがとうございました。
お陰さまで本番は控除の部分は落ち着いて判断できました。
試験の時間配分も35回動画以降の解説動画を参考に、4択問題を30分目安に行い、時間がかかる問題は後回しで行い、なんとか時間内に全問解けました!
本当にありがとうございました!
試験勉強お疲れ様でした!
動画が役に立ったようで何よりです。
給与計算実務能力の勉強内容は、実務だけでなく私生活にも役立つことが多くあります。
ぜひ、今後もご自身の情報をアップデートしていってくださいね♪