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今回は、

◆労働保険の年度更新

について学びます。

労働保険の申告納付制度とメリット制

労働(労災・雇用)保険料は、4月~翌年3月分を一保険年度として、概算保険料を計算・申告納付することになっています。

納付タイミングは、1年に1回、61日~710日までに行うこととされており、これを労働保険の年度更新といいます。

 

なお、労災保険「全額会社負担、短時間労働者も原則加入」となっており、雇用保険「会社と労働者で負担、対象者は週所定労働時間20時間以上かつ、雇用見込み31日以上」となっています。

どちらの保険も出向は出向先賃金に含めますが、派遣は派遣先賃金に含めません。

 

また、労災保険は、事業の種類ごとに保険率を定めていますが、実際の業務災害発生率は、種類だけでなく会社で異なりますので、過去の災害発生状況により、保険率を40%以内で増減できる特例があります。これをメリット制といいます。

 

メリット制の必須要件は「労災保険申込運用から3年以上経過していること」です。

実際に適用されるタイミングとしては、連続する3保険年度の最後年度の翌々保険年度に適用となります

(例:2017年~2019年なら2021年度に適用)

 

労働保険には、メリット制以外にも特殊な注意点があります。

 

労災保険の一般拠出金

石綿(アスベスト)健康被害救済の為、全事業場が負担する

 

労働保険の納付

確定保険料が申告済概算保険料より多い場合は不足額を納付

確定保険料が申告済概算保険料より少ない場合は今年度分に充当

 

納付額が40万円以上の場合、申請により延納が可能となっています

710日・1031日・翌年131日の3期に分けて納める

 

また、労働保険の適用単位は事業所ごとですが、継続事業や有期事業と認められる場合は、一括納付できます。

建設事業については事業の種類により労務比率が設定されていますが、これは労災保険料算出に必要な賃金額を割り出す為に使用されるために必要とされています。

 

ちなみに、労災・雇用保険料申告を一緒に行える事業を一元適用事業といい、別々に行わなければならない事業を二元適用事業といいます。

まとめ

労災保険と雇用保険における負担額と適用者の違いを覚えておく

 

労務災害が起きやすい業種は、メリット制で保険料を調整している

 

労働保険の納付は一括や延納など、事業形態や金額により選択肢がある

 

 

次回は、【給与計算の控除】です。