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今回は、
◆時間単位の年次有給休暇
について学びます。
※第2回講座内容を更に詳しく解説したものになりますので、併せて復習しておきましょう。
時間単位の年次有給休暇の要件
時間単位で年次有給休暇を付与することは可能ですが、年に5日分を限度とされています。
また、時間単位の付与のためには、労使協定に以下の3事項を定めなければいけません。
① 時間単位で年休を与える労働者の範囲
② 時間単位で与えられる年休の日数(5日以内)
③ その他厚生労働省令で定める事項
⇒ 年休1日の時間数(時間以外の単位でも同様)
③を補足すると、時間数ではなく30分のような異なる単位でも付与は可能ですが、必ず労使協定に明記してくださいということですね。
時間単位の年次有給休暇の賃金
計算式の内容がややこしく思えるかもしれませんが、要は第2回講座で学んだ1日分の年休賃金を時間給として算出すればいいだけです。
(時間単位で年休取得するので、賃金も時給計算する必要があるから)
実施や取得に関する注意点
実施の際には、事業場で労使協定の締結が必要ということは先ほど説明しましたが、これは時間単位の取得が強制されるというわけではなく、あくまで「労働者の意思」で時間 or 日を選択できます。
それでは、以下注意点です。
① 時間単位年休は「休暇」と記載
② 半日単位の付与は労使協定が不要
③ 時間⇒日 日⇒時間 の変更は認められない
(時季変更権に基づく請求の後の変更は×)
④ 取得不可時間の制定は出来ず、制限を設けるのも×
⑤ 計画的付与として与えることは認められない
③は、労働者が申請した単位を使用者の判断で変更することは認められないということです。
④は、使用者の都合で例えば「15時~18時は忙しいから時間単位指定できないようにしよう」などといった、労働者に不利になる制限を設けることはできないということです。
まとめ
◆時間単位の年休は付与可能だが、年に5日分が限度となり、付与には労使協定締結が必要
◆時間単位の年休賃金を算出するには、1日分の年休賃金算出後に、時間単位に換算するだけ
◆実施や取得の注意点は、「労働者の意思」を尊重した規定を軸としている
次回は、【弾力的な労働時間制度】です。