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今回は、

◆法律に基づく休業・休暇と関連制度

について学びます。

 

法律に基づく休業・休暇等

休業や休暇は、労働者に与える義務はありますが、有給とする義務は一部を除いてありません

 

有給扱いとなるのは文字通り、有給休暇です。一方、弔辞休暇や記念日的休暇などの特別休暇には有給義務はありません

 

ただし、有給義務はありませんが、《有給や減額扱いにすることは可能》ですので、弔辞休暇などが有給扱いになっている企業も存在しています。

 

この場合は、就業規則などで有給扱いとする旨を明記すれば良いので、社会通念的に有給の方が良いという考えの元で有給になっています。

 

休業や休暇による給与からの控除は、《休業》という名称のものは1日単位《休暇》という名称のものは1or時間単位となっていますので、覚える際は参考にしてください。

 

賞与・退職金の減額

給与と同じように、労働提供が無かった期間を賞与・退職金の算定期間から控除することは認められます

 

ただし、労働提供が無かった期間を超えて控除することは認められないという判例もあります。

 

これは、前回お教えした「減給の制裁の制限」と同じ理由からです。

 

具体的な判例内容は、公式テキストをご確認ください。

 

就業規則などに予め規定しておき、あくまで労働しなかった期間に比例した減額を行い、違法に減額や不支給などをしなければ問題はありません。

 

休業に伴う保険料免除制度

産前産後休業育児休業については、取得期間中の健康保険・厚生年金保険の保険料が免除されます。

 

保険料の特例措置としては「免除」と「納付猶予」がありますが、免除の場合は「免除期間の将来年金額は通常の半額になります。

納付猶予はそもそも年金が発生しません。ただ納付期間に一定の猶予が付いただけの状態です

 

免除は「被保険者負担分と事業主負担分の両方が全額免除」となりますが、その期間分のもらえる年金額は半額になってしまいますから、どちらが良いか雇い主側と相談して適用を決めると良いですね。

 

なお、一見似ているように思える介護休業には免除制度は適用されません

 

産前産後休業や育児休業は「子育て支援の一環」としての側面があるため手厚い特例措置になっていると思ってください。

(高齢者自身には様々な配慮がありますが、高齢者を介護する側に対してはそういった措置がほとんど無いのが現状です)

 

また、保険料算定の際の判断指標となる標準報酬月額についても、産前産後休業や育児休業の取得終了時にリセットされて再計算されるという措置があります

(詳しくは後の講義でお教えします)

 

休業期間中は給与が減り、それまでの税金・保険額のままだと支払いに負担がかかりますので、そこに配慮した措置といえます。

 

まとめ

休業や休暇を与える義務はあるが、有給扱いにする義務はない場合がある

 

賞与や退職金も給与と同様に、休業や休暇による算定期間の控除が認められる

 

産前産後休業と育児休業は保険料の免除という特例措置があり、事業主分も免除となる

 

 

次回は、【時間単位の年次有給休暇】です。